プログラム

講演プログラム

プログラムを公開いたします.つぎのpdfファイルをご覧ください.

タイムテーブル(最終版)

プログラム(最終版)

プレナリー講演1

最先端数理モデリングの理論と応用

日時 3月5日(水)12:30~13:30 
場所  A室(B202)
講演者 合原 一幸 君 (東京大学)prof_gohara
概要 本講演では,我々が研究を進めているFIRST最先端数理モデリングプロジェクトの概要を説明する.特に,力学系理論と制御理論の融合研究をはじめとする最先端数理モデル学の理論的プラットフォームの構築およびその具体的な応用事例,たとえばハイブリッド力学系理論を用いたテーラーメード前立腺癌内分泌療法や動的ネットワークバイオマーカーなどを紹介する.
講師略歴 1977年東京大学工学部電気工学科卒業. 1982年同大大学院工学系研究科電子工 学専門課程博士課程了.工学博士..現在東京大学生産技術研究所教授,同最先端数理モデル連携研究センター長,東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻教授 (兼任),東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻教授 (兼任),内閣府/日本学術振興会最先端研究開発支援プログラム (FIRST) 中心研究者.カオス工学および複雑数理モデリングの研究に従事.

プレナリー講演2

Opportunities and Challenges in Control Systems Design Arising from Ubiquitous Computation and Communication

日時 3月6日(木)14:45~15:45 
場所  A室(B202)
講演者 João P. Hespanha 君 (The University of California at Santa Barbara)prof_hespanha
概要 Advances in VLSI (Very Large Scale Integration) design and fabrication have resulted in the availability of low-cost, low-power, small-sized devices that have significant computational power and are able to communicate wirelessly. In addition, advances in MEMS (Micro Electric Mechanical Systems) technology have resulted in wide availability of solid-state sensors and actuators. The net result is ubiquitous sensing, communication, and computation that can be in- corporated into small low-power devices. In this talk, I will demonstrate that the above-mentioned technological advances present important opportunities and interesting challenges for control system designers. To this effect, I will describe recent work demonstrating that optimization-based approaches to path planning ― which have been enabled by fast computation ― can lead to so- lutions that significantly outperform previously proposed heuristics. I will also discuss how the introduction of digital communication in c ontrol loops gives rise to a need for new tools for the design and analysis of feedback control systems.
講師略歴 João P. Hespanha received his Ph.D. degree in electrical engineering and applied science from Yale University, New Haven, Connecticut in 1998. From 1999 to 2001, he was Assistant Professor at the University of Southern California, Los Angeles. He moved to the University of California, Santa Barbara in 2002, where he currently holds a Professor position with the Department of Electrical and Computer Engineering. Prof. Hespanha is the Chair of the Department of Electrical and Computer Engineering and a member of the Executive Committee for the Institute for Collaborative Biotechnologies (ICB). His current research interests include hybrid and switched systems; multi-agent control systems; distributed control over communication networks (also known as networked control systems); the use of vision in feedback control; stochastic modeling in biology; and network security. Dr. Hespanha is the recipient of the Yale University’s Henry Prentiss Becton Graduate Prize for exceptional achievement in research in Engineering and Applied Science, a National Science Foundation CAREER Award, the 2005 best paper award at the 2nd Int. Conf. on Intelligent Sensing and Information Processing, the 2005 Automatica Theory/Methodology best paper prize, the 2006 George S. Axelby Outstanding Paper Award, and the 2009 Ruberti Young Researcher Prize. Dr. Hespanha is a Fellow of the IEEE and an IEEE distinguished lecturer since 2007.

プレナリー講演3

植物工場ー工業技術を導入した最先端の植物生産システムー

日時 3月7日(金)12:30~13:30 
場所  A室(B202)
講演者 後藤 英司 君 (千葉大学)prof_goto
概要 植物工場は, 気象の影響を受けずに周年的に野菜・花き等を計画的に効率よく生産する閉鎖系システムであり, 農業上は施設園芸の延長線上にある. 国内には人工光型植物工場が130カ所以上あり, 生食用のレタス等の葉菜類, 生産者向けの苗 (野菜, 花き) などを商業生産している. 現在, 日本発の植物工場の技術は, 欧米を含む先進国・新興国等に輸出されている. 植物工場の特徴は, 植物の生育環境要因 (温度, 湿度, 光, ガス濃度, 気流, 培養液など) を制御して, 成長に最適な 環境条件を創造し, 省エネ, 省資源的な植物生産を実現する点である. 播種, 育苗, 収穫, 選別, 梱包に至るプロセスで計測・制御, 機械, ICT の技術が導入され ている. 本講演では, 植物工場における計測・制御の現状と将来展望について紹介する.
講師略歴 1983年東京大学農学部卒業. 1986年東京大学大学院農学研究科中退. 1986年東 京大学農学部助手, 1997年東京大学農学生命科学研究科助教授, 2005年千葉大 学園芸学研究科教授, 現在に至る. 専門は, 植物工場・温室等の園芸施設の環境工学, 植物工場における植物の生育制御, 植物工場を用いた薬用植物・医療用遺 伝子組換え植物の生産, など. 論文賞2件 (生態工学会, 日本農業気象学会), 学術賞 3 件 (日本農業気象学会, 日本植物工場学会, 日本生物環境工学会).

セミプレナリー講演1

イプシロンロケットの挑戦

日時 3月5日(水)16:35~17:35 
場所  A室(B202)
講演者 森田 泰弘 君 (JAXA/宇宙科学研究所)prof_morita
概要 いま宇宙開発は大きな時代の転換点に差し掛かっている.これからは「小型・ 高性能・低コスト」という概念が大切で,打上げの頻度を上げてチャンスを増やしていくことが今後の宇宙開発利用を活性化する大きな鍵となる.このような新しい時代の幕を開けるべく,イプシロンは打上げシステムを革新,ロケットを扱いやすく,効率的に打つ仕組みを構築して宇宙への敷居を下げることを最大の目的としている.昨年 9 月に打ち上げた1号機では,モバイル管制などの世界をリードする革新コンセプトを実現し,宇宙ロケット全体の未来も大きく切り拓いた.本報告では,昨夏の飛行結果を踏まえつつイプシロン開発の意義を明らかにするとともに,固体ロケットの今後の発展の方向性についても示す.
講師略歴 1958年東京都生まれ.1982年東京大学工学部航空学科卒業.1987年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了.工学博士.1988 年から2年間,カナダ・ブリテッシュ・コロンビア大学客員研究員として宇宙ステーション用ロボットアームの研究に従事.1990年旧文部省宇宙科学研究所(現JAXA)システム研究系助手.同年スタートのM-Vロケット開発 (主にシステム設計, 誘導制御系) を主導する. 2003年7月から宇宙科学研究所教授,同年10月からM-Vロケットプロジェクトマネージャー (開発責任者) を兼務し,JAXA統合後の同ロケットの打ち上げを指揮.引き続き,イプシロンロケットプロジェクトマネージャーとして我が国の固体ロケット開発をリードするとともに,宇宙飛翔工学研究系教授として研究教育に従事.専門はシステムと制御.

セミプレナリー講演2

制御システムセキュリティの国内動向

日時 3月5日(水)16:35~17:35 
場所  B室(B201)
講演者 新 誠一 君 (電気通信大学)prof_shin
概要 2010年にイランのウラン濃縮工場を襲ったstuxnet, 2011年の東日本大震災における重要インフラの停止に伴う被害の二つの事件を受けて2012年に経済産業 省の支援を受けて技術研究組合制御システムセキュリティセンター(CSSC)が設置された. ここでは, ガス, 電力, ビル事業者へのサイバー演習やEDSA(Embedded Device SecurityAssurance) 認証などの事業を実施している. このCSSCの活動 を中心に制御システムセキュリティの国内動向を講演する.
講師略歴 1980年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了. 同年, 同大学工学部計数工学科助手. 1987年工学博士(東京大学). 同大学講師を経て,1988年筑波大学 電子・情報工学系助教授. 1992年東京大学工学部助教授. 2001年同大学情報理工学系研究科助教授. 2006年電気通信大学教授. 1991年, 1993年, 1998年計測自動制御学会論文賞, 1992年同賞武田賞受賞. 2006年同技術賞受賞. 制御理論を中心に広く工学全体に興味を持つ. 計測自動制御学会フェロー, 同会長. (財) 製造科学技術センター評議員. 日本能率協会 GOOD FACTORY 賞審査委員長, 共同研究組合制御系セキュリティセンター理事長.

2013年パイオニア賞受賞記念講演

非負システムの解析と設計

日時 3月6日(木)16:40~17:20 
場所  A室(B202)
講師 蛯原 義雄 君 (京都大学)prof_ebihara
概要 非負システムとは, 非負の入力と非負の初期状態に対して, 状態と出力が常に非負となる動的システムである. このような非負性は, 資源, エネルギー, 製品, 化学物質といった負の値を取り得ない物理量のやり取りを表すダイナミクスにおいて普遍的に現れる. 非負システムの解析や設計においては, その非負性から通常のシステムに対しては成立し得ない“ 強い結果 ”が成立することが知られており, 近年は凸最適化手法と絡める形で様々な興味深い研究成果が得られている. 本講演では, 非負システムに対して成立する解析・設計条件を対応する特別なタイプのリアプノフ関数に関連付けて紹介するとともに, L1 誘導ノルムを用いた結合非負システムの安定性解析, 結合非負システムのパーシステンス性, マルチエージェント非負システムのフォーメーション制御とその自動車群の車頭時間制御への応用に関する講演者の研究の一部を紹介する.
受賞者略歴 2002年3月京都大学大学院工学研究科博士後期課程電気工学専攻修了 (京都大学博士 (工学)). 同年 4 月京都大学大学院工学研究科助手, 2006年4月同講師, 2010年3月同准教授となり現在に至る. 数値最適化手法を用いた制御系解析・ 設計, ロバストSDPの厳密解法, 大規模非負システムの解析と実システムへの応用などの研究に従事. 2002 年American Control Conference Student Best Paper Finalist Award, 2008年計測自動制御学会論文賞 2009年SICE Annual Conference International Award, 2011年システム制御情報学会産業技術賞, 2012年 International Conference on Control, Automation and Systems (ICCAS) Outstanding Paper Award などを受賞.

2013年パイオニア技術賞受賞記念講演

自動車制御システムに対するモデルベース開発

日時 3月6日(木)17:20~18:00 
場所  A室(B202)
講師 JMAAB 酢谷 慶治 君 (本田技術研究所)mr_sudani
概要 MATLAB/Simulinkは制御システム開発のMBD化を実現するために有効なツールであり, デファクトスタンダードとなっている. しかしながらツール導入だけでは MBD 化実現は困難であり, 開発プロセス/手法に合わせ, 効率よく活用することが不可欠である. JMAABではワーキンググループ活動を通してMBD実現にむけて議論/検討を重ね, ガイドラインやツールをリリースしてきた. 本 講演は数多くの活動成果の中から代表的な項目を抜粋し JMAAB 活動において達成したMBD開発技術の概要を説明する.
受賞者略歴 JMAAB.2000年発足. 国内の自動車メーカとサプライヤによるMATLABユーザ会でMBD普及推進活動を実施. MBD化の技術とプロセスの早期実現にむけ企業間の壁を越えた議論と活動をする団体. 約590社2700名が登録.
講師略歴 J1997 年本田技術研究所入社. 2006 年よりJMAAB活動に参画. 2011年よりJMAABボードメンバーとして活動し現在に至る.

2013年木村賞受賞記念講演

PageRank 計算に対する分散型確率アルゴリズム

日時 3月7日(金)14:45~15:25 
場所  A室(B202)
講師 石井 秀明 君 (東京工業大学)prof_ishii
概要 本講演では, 検索エンジンGoogleにおいて検索結果を順位付けする際に用いられるPageRankアルゴリズムを紹介し, そのアルゴリズムに対して最近進めてきた制御理論に基づくアプローチについて述べる. PageRankはウェブ上の各ページに対する人気度や重要度の指標となる数値であるが, 本アプローチでは分散型確率アルゴリズムによって計算を行う. そこではウェブ全体をネットワーク化されたマルチエージェント系として捉え, リンクされたページ同士が 局所的に情報交換しながら各々が自身の PageRank値を求める. さらに本手法の拡張として, ウェブが持つ疎なネットワーク構造に着目することで, ページをグループに分ける縮約化について述べる. 特にグループ毎にPageRankを求 めた上で, その値をグループ内で分配する方式を考え, 分散型アルゴリズムで必要な計算量・通信量を低減化するのに有効であることを示す.
受賞者略歴 1998 年に京都大学修士課程, 2002 年にトロント大学博士課程を修了した. その後, 2001年イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 Coordinated Science 研究所ポスドク研究員, 2004 年東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻助手を経て, 2007年より現職, 東京工業大学大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻 准教授となる. 研究分野は, ネットワークを介した制御系, マルチエージェント系の協調制御, 確率的アルゴリズム, 電力シス テムにおけるサイバーセキュリティ等を含む. 2010 年 計測自動制御学会制御部 門パイオニア賞, および2013年同研究賞 (木村賞) を受賞. 現在, IEEE Control Systems Society 理事, IFAC Technical Committee 1.5 Networked Systems委員長, IFAC Automatica誌AE等を務める. 計測自動制御学会, 電子情報通信学会, システム/制御/情報学会, IEEEの会員.

チュートリアル1

プラントモデリング部会は, 従来のPMシンポジウムと同様に, チュートリアルを開催します. 今回のチュートリアルでは, モデルを用いた最適化に関する話題としました. 制御部門マルチシンポジウムに参加すれば, このチュートリアルに参加することが可能です. 講演のほかに, ポスター展示も行いますので, 多くの皆様に聴講していただきたく, ご案内申し上げます.

モデルを用いた最適化

主催・企画 計測自動制御学会 制御部門 プラントモデリング部会
日時 3月4日(火)13:00~17:25
場所

D室(B102)

講師 大谷朝彦 ((株)IDAJ), 工藤啓治/岡部英幸 (ダッソーシステムズ (株)), 赤阪大介 (MathWorks Japan), 半澤昭光 (サイバネットシステム (株))
概要 制御システム開発において, システムの振る舞いや, 制約を記述した制御対象のプラントモデルを制御系設計や検証・適合に活用され始めています. システムには, 要求を満たすと同時に, 制約も満たす必要があり, これはシステムを最適化する行為に他なりません. 近年, 複雑化する制御システムにおいても, システム全体の最適化が重要となっている一方で, 想定される組み合わせ総数の増加が, それを難しくしています. 本チュートリアルでは, 「モ デルを用いた最適化」をテーマにして, 汎用的な最適化ツールを概観すると共に, 適用例の紹介によって, 最近の最適化ツールへの理解を深めることを目的とします.
プログラム

13:00∼13:05 開催挨拶

13:05∼14:05 モデルベース開発における最適化技術の役割と制御分野における適用事例の紹介

大谷 朝彦 ((株)IDAJ)

モデルベース開発の目的は, 開発の早期に工数を集中させ, 開発工程の前倒しと完成度の向上を図ることにある. 一方, 複雑化と高度化の一途をたどる技術開発において, 複数の相反する要求をより高いレベルで満たすには, 従来の熟練技術者の経験と勘に頼った, 人依存型の開発ではもはや対応が不可能になってきている. そのような課題を克服し, モデルベー ス開発を効率的に遂行するために, そのV字サイクルのいたる所に最適化技術が適用され, 両者はもはや切っても切れない関係になりつつある. 制御システム開発の分野においても, 最適化技術は従来から活用され, 成果を上げている. そこで今回は当社取り扱いの最適化ツール: modeFRONTIERと, 当社が公開している最適化事例の中から特に「モデルを用いた最適化」に的を絞り, 制御パラメータの最適化をおこなった事例をいくつか抽出してご紹介する.

14:05∼15:05 機能モックアップと設計パラメータ・スタディによる製品の最適化

工藤 啓治 / 岡部 英幸 (ダッソーシステムズ (株))

今日, たとえば自動車など設計対象となる製品を構成するサブ・システムは多岐にわたり, その複雑さは飛躍的に増大している. 特に, プラントモデル側は異なる物理領域が複合的に作用しており, そこに含まれる多数の設計パラメータの相互関係を踏まえた上で適切なシステムを構築することは容易ではない. さらに, 安全性や環境負荷低減など, 開発対象となるシステムが達成すべき性能目標も年々増え続けている. このような状況で, 対象製品のハード・ソフトや利用環境まで考慮した製品の最適化を実現するには, 複数の要求性能を満足させながら, 膨大な設計パラメータ空間内で最適解を探索する手法が重要になる. その実現に向け, 所与の設計パラメータによって実現される性能をデジタルに評価する機能モックアップや寄与度に応じて設計パラメータや上下限値といった設計空間を絞り込んでいくパラメータ・スタディ手法を有機的に結び付け, 製品設計に適用する動きが進んでいる. 本セッションでは, 機能モックアップと設計パラメータ・スタディ手法とを組み合わせた設計パラメータ空間での最適化に焦点を当て, 具体的な例を通して説明する. また, 製品開発を支援するツールの今後の動向や, 先進的な適用事例を紹介する.

15:05∼15:25 休憩 (15 分)

15:25∼16:25 デュアルクラッチトランスミッションのシフトスケジュール最適化

赤阪 大介 (MathWorks Japan))

本講演では, MATLAB/Simulinkにより自動車トランスミッションのシフトスケジュールを最適化する方法, および, 最近話題となっているクラウド上で並列計算を行い, パラメータスイープや最適化の検討を高速化する方法についてご紹介します. 近年, 排出ガス規制の強化や燃料価格の高騰により, 燃費効率の良い車への期待がますます高まっています. トランスミッションのシフトスケジュールは, 燃費改善につながる重要な要素となりますが, シフトスケジュールは多くのパラメータを持つため, 手動チューニングにより最適値を求めることは困難です. そこで, Simscape 系製品により作成したデュアルクラッチトランス ミッションの1D物理モデルを活用し, 最適化アルゴリズムを用いて燃費効率を最大化する ようにシフトスケジュールをチューニングします. シミュレーション, 最適化アルゴリズ ム, そして, 並列計算の技術を応用し, 最適なシフトスケジュールを探索します.

16:25∼17:25 汎用最適化ツールOptimusによるエンジンシステムの動的モデル同定

半澤 昭光 (サイバネットシステム (株)

エンジン適合は, 可変バルブや点火時期など, 近年のエンジン技術の進化により, その制御パラメータの組み合わせが膨大になっており, 多大な工数が必要となっている. そのため, シミュレーションモデルに基づくモデルベースキャリブレーション(MBC)が注目されている. MBC 実現のためには, 正確なモデル同定が必須である. 特に近年では過渡特性を再現する動的モデルの需要性が高まっている. モデル同定には最適化が重要技術となるが, 近年の汎用最適化ツールの機能向上にともない, 注目度が上がっている. 本講演では, 汎用最適化ツールであるOptimusの概要を説明し, 汎用ツールならではの, モデルパラメータ最適化を支援する様々な検証・可視化機能とともに, 非線形システムをコンパクトに表現する手法として注目される, カーネル法によるモデリング法を紹介する. また, エンジンの動的モデルに適用した例も合わせて紹介する.

チュートリアル2

スマートな社会基盤システムの構築へ向けて—分野融合による新展開—

主催・企画 計測自動制御学会 制御部門 社会基盤システムにおける分散意思決定のためのシステム制御調査研究会
共同企画 JST CREST 分散協調型エネルギー管理システム構築のための理論及び基盤技術の創出と融合展開 内田健康チーム
日時 3月7日(金)9:00~12:00
場所

A室(B202)

講師 渡部 勇 (富士通研究所) 安田 洋祐 (政策研究大学院大学) 澤田 英司 (早稲田大学)
概要 次世代エネルギー需要・供給ネットワークに代表される新たな社会基盤システムの構築には, 分野間の融合による研究の進展が不可欠となる. 本チュートリアル講演では, 市場設計, 価格決定や大規模データの利活用といった分野から, スマートな社会基盤システムの実現という共通課題へ向けた, 最近の研究成果を講演いただく.
プログラム

9:00∼10:00 ビッグデータ利活用のための分析技術とその応用

渡部 勇 (富士通研究所)

ビッグデータ利活用においては, 収集・蓄積されたデータから有用な知識を発見し, 業務や経営における意思決定を最適化するための分析技術が重要となる. 本講演では, 異種多様な情報を統合分析することによってトラブル発生の要因・予兆を分析予測する「リスクマイニング技術」や, ソーシャルメディア情報を用いて社会や生活者の状況・行動を把握・予測する「生活者行動分析技術」などの具体的な研究事例を中心に, ビッグデータ利活用を支える分析技術とその応用に関する研究開発の動向について紹介する.

10:00∼11:00 不完全競争市場での企業行動と価格決定

澤田英司 (早稲田大学)

本講演では, 現実の様々な価格決定の事例を取り上げ, その理論的背景を説明する. 企業が市場支配力を持つとき, 一般に価格は需要と供給を一致させるための適切なシグナルとはならない (市場の失敗). また, このとき一物一価の法則は必ずしも成立しない. 現実に目を向けると, たとえ同一の財であっても年齢や性別によって価格が異なったり料金メニューから各々が異なる料金プランを選択したりと, 消費者によって異なる価格に直面する例は 枚挙に暇がない. このような価格決定の多くは, 市場支配力を持つ企業の利潤最大化行動 (合理的な行動) の結果として理論的に説明することができる.

11:00∼12:00 マーケットデザインの理論と実践

安田洋祐 (政策研究大学院大学)

ミクロ経済学から得られた知見を応用して, 現実の市場や制度の具体的なデザインを研究, 提案するマーケットデザイン. 既存の市場・制度を与えられたものとして捉え, その機能を 解明することに注力してきた伝統的な経済学とは異なり, 新たにイチから制度を設計, あるいは変更することを対象とするマーケットデザインは, 実践例の拡大とともに近年急速に関心を集めている. 本講演では, この新しい分野が特に成功を収めている, オークション設計とマッチング・メカニズムについて, 具体例に触れながらそれぞれの代表的な理論を解説する.

ワークショップ

制御における共同研究の発展を目指して

主催・企画 計測自動制御学会 制御部門 事業委員会

日時

3月4日(火)13:30〜17:20

場所

C室(B101)

講師 池田 建司 (徳島大学), 加藤 浩明 (アイシン精機 (株)), 平田 光男 (宇都宮大学)

概要

企業側,大学側から見た共同研究の成功事例について,3名の講師(アイシン精機(株)の加藤浩明君,徳島大学の池田建司君,宇都宮大学の平田光男君)をお招きしてご講演頂きます.講師の方々には,共同研究を遂行するにあたって企業,大学の双方の立場から期待する点,気をつけるべき点などを共同研究の内容に絡めて具体的なお話をして頂く予定になっております.企業―大学 間の共同研究を進めている研究者,これから始めたい研究者には非常に有益と思われます.奮ってご参加ください.なお,詳細はシンポジウムWebサイト,今後の会告などをご参照下さい.

プログラム

13:30〜14:30 産学連携, この15年を振り返って

池田建司 (徳島大学)

 企業と大学が連携する際,お互いにメリットを感じつつ関係を継続するためにはどのようなことが重要か?アイシン精機(株)との15年間にわたる連携の経験をもとに,大学側の立場から,長く付き合うためのポイントを探る.

14:40〜15:40 産学連携による自動車部品の制御開発 −共同開発をうまく進める秘訣−

加藤浩明 (アイシン精機株式会社)

自動車部品の組み込み制御開発において,弊社では大学との産学連携を深く長く進められている.「互いに同じ目的を持つ事」,「互いを育成し合う事」の価値観を共有し,難しい制御理論を使うことを前提としないQCDの視点に立った開発,現場設計者の育成,素人でも使える定数設計ツール化,そして実機確認まで,両者で徹底的にやり切っている.当日は、自動車部品の制御開発の実例を交えながら,産学連携をうまく進める秘訣を述べる.

15:50〜17:20 産学連携による制御技術研究のすすめ

平田光男(宇都宮大学)

企業との共同研究など,これから産学連携をはじめたいと考えている方々の参考になるよう,これまで行ってきた産学連携を振り返りながら,その進め方や考え方について私見を述べる.また,時間が許せば,産学連携の具体的な研究事例についても紹介したい.

参加費

マルチシンポジウム参加者は無料となります.それ以外の方は以下となります.

  • 会員 2,000円,会員外 3,000円
  • 学生 1,000円,賛助会員 無料

参加申込

資料の配布を行う予定ですので, 2/22(日)までに参加申し込みをおこなってください.参加申し込みはこちらで受付致します.

参加の事前申込は終了致しましたが,マルチシンポジウム参加者は当日参加も可能です.

問い合わせ先: SICE制御部門事業委員会
瀬部昇 九州工業大学情報工学研究院, email: sebe[a]ai.kyutech.ac.jp
([a]を@に変えてください)
学会事務局 部門協議会担当, 電話(03)3814-4121

講師略歴

池田 建司(いけだ けんじ)君
1991年東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻博士課程修了.徳島大学工学部助手, 講師, 助教授を経て,徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部准教授,現在に至る.制御工学, システム同定の研究に従事.計測自動制御学会, システム/制御/情報学会, IEEEの会員. 工学博士.

加藤 浩明(かとう ひろあき)君
1998年名城大学大学院電気電子工学専攻修士課程修了.同年,アイシン精機(株)に入社,現在に至る.自動車および住生活関連製品の制御開発、および社内制御技術者育成業務に従事.計測自動制御学会の会員.

平田 光男(ひらた みつお)君
1996年千葉大学大学院自然科学研究科修了.千葉大学工学部助手,宇都宮大学工学部助教授,准教授を経て2013年同教授,現在に至る.2002年〜2003年カリフォルニア大学バークレイ校機械工学科客員研究員.ロバスト制御,ナノスケールサーボ制御,およびそれらの産業応用に関する研究に従事.2010年計測自動制御学会著述賞,2011年計測自動制御学会 論文賞,制御部門パイオニア賞受賞.博士(工学).